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自分の家に戻り、道具である鍬を片付け、そして夕飯の準備に取り掛かるオラオ。
オラオの家では夕方のうちに、明日の朝飯の準備をするのがオラオ家流なのだが、今日は間に合いそうに無い。
水に浸した少量の穀物を鍋に入れ、適当にちぎった葉物野菜と、根野菜を放り込み囲炉裏にかける。
煮立つまで、明日の朝の穀物を水に浸し、明日の朝の準備とする。
たまに川魚を捕る事もあるが、今は秋の収穫に間に合う様に畑仕事が優先となっている。
まだギリギリ間に合う時期のはずだった。
軽く振った塩味の野菜スープ風?の雑炊?の様な物を流し込み、使った食器を藁を纏めたタワシで洗い、就寝となる。
風呂は無く川で洗い、ついでに洗濯をするので、夜は普通しない。
しかし、オラオにはまだする事が残っていた。魔力を集める事、だがコアはその方法を教える事をしなかった。
スッカリ暗くなり始めた部屋にはオラオのイビキだけが響く。
教える、教えない以前に忘れている様子だった。
日の出と共に起き、畑仕事をして夕方前に帰り、そして寝る。
そんな何時もの日常を過ごし、数日が過ぎた頃…
あの声が聞こえて来た。
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