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「しょっぱいエコずら」
〔節約上手と言え〕
1日たってもまだ続いてたりした…
オラオが居る部屋は薄暗く明かり等無いのが時間を忘れさせる要因でもあるのだが、それでも腹は減る。
暗く明かりらしき物と言えばコアが発する柔らかな光だけの岩?軟岩であろう壁と天井、床。
触ればポロポロと剥がれるその軟岩のダンジョン内に
グー
と、オラオの腹の音が響く。
「干し肉の粥を承認」
〔粥を承認してやる〕
「干し肉入りずら!」
〔ほら粥だ〕
「追加で干し肉を承認!」
〔断る!とっとと食え〕
ダンジョンマスターの指示を断るコアと泣きべそをかきながら粥のみを啜るマスター…
こんなダンジョンは嫌だ。心からそう思う。
しかし、オラオからしてみれば働かなくても食べ物が手に入ると言うのは大切な事だった、年貢として出す米と自家用の穀物、野菜を作り余る物は肉、魚、道具との交換をする。
足りない場合は野山から食べれる物を探し我慢しながらの生活を送るのだ食べる物があるだけマシと言う物だ。
それでも働かなければ餓えると言う恐怖はこの世界の人々には強く根付いており、オラオも待機だけの生活に不安を抱かせる。
「おら畑仕事に戻るずら」
〔ここはどうするんだ?俺を失っても良いのか?〕
何度となく繰り返した、またしてもの堂々巡り、遂にコアは渋々打開案を提示した
〔この部屋を畑にしてやる、上の畑は…〕
打開案では無かった…コアも少し悩む事案があったから、オラオを村に戻せばダンジョンで待機する以上の魔力が手に入る。だが、ダンジョンとしては無防備極まりない。
今のダンジョンレベルでは留守番となる魔物も造れず、八方塞がりにしかならない。
最もオラオ自体が鉄砲玉で行ったら何時帰るか分からないのが最大の不安材料なのだが…
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