ダンジョン始めました

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汗ばむ季節から過ごしやすい季節に移り変わる頃、オラオ達は冬に向けての準備を始めていた。 そうは言っても山に入っては食べれる果物を集めたり、鹿や猪といった動物を狩ったり村人総出で行う収穫の習わしである。 習わしなのは冬になれば動物は冬眠してしまうし、秋の恵みも一人では集める量も僅かにしかならないのだが、最大の理由は魔物の存在が大きい。 狩りの場合も勿論だが果物の採取においても、誰かしら近くに居る。 コレが主な目的となっている。 沢山の人が同じ山に入ると魔物も警戒しあまり人を襲わないし、周りの人と協力して撃退や救助が速やかに出来る為で昔から有効な習わしとして続いているのだ。 とは言え。 オラオが弓を持ち狩りをしている姿は想像出来ないのだが、この男は意外に弓の扱いが上手だった。 チョロチョロと湧水が流れ、集まり、動物達の水場となる場所がある。 そこに狙いを定め、樹の上からただジッと待つ。 当然ながら餌を求め肉食の動物も現れる為、周りには注意をしながらジッと待つ。 モドサッ。 重そうな音と共に突然、枯れ草が重なりあう腐葉土の上に落ちて来たのはオラオだった。 「オフゥ!寝てたずら」 まぁスライムしか魔物は居ないから良いけど…… しかし、山の奥にはスライム以上の強さを誇る魔物も現れたりする。
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