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そんな過去を持つオラオは悩むに悩み、ようやく決断を下す。
「どうせ死ぬなら木陰で死ぬずら」
暑さの為、ヨロヨロと体を動かし森に向かうオラオ。
そんなに我慢しなくても村に戻って休めば良いのに…
基本的に、この森には弱い魔物しかいない。スライムやマッシュと呼ばれる小型のキノコ、マッシュは動きも遅く子供でも倒せる程だが、このマッシュを餌とする魔物が居る為、鉢合わせとなる場合が稀にある。
その魔物はモホーと呼ばれ、身長は子供程度、猿に似た容姿の二足歩行の魔物である。
モホーは食欲、性欲ともに高く、男女関係無く襲い。最悪な事に群れで行動し、群れのボスはリョトーとも呼ばれる。
群れに襲われたら最悪だ、何故なら……
男は男では無くなり、女性は再び姿を見る事は無い。喰われると言うのが一般的な噂である。
その、モホーと同じ程に厄介なのがウルフである。
凶暴な狼である彼らも、群れで行動し人や動物を襲う。こちらは餌として襲ってくる為村人からは恐れられている。
まぁ この森には居ない。居るのはスライムのみ。
オラオの父は木陰で休憩中に疲労で寝てしまい、たまたま通りすがりのスライムが顔に乗った為だ。
死因は窒息…過労だったのかも知れないが、ともあれ死後、半年の間スライムへの憎悪をオラオは忘れた事は無かった。
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