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「チッ
とりあえず適当にしとくか」
そんなダンジョンコアの呟きと共に小部屋は沈黙に包まれ、オラオの目覚めまで静寂が続くのだった。
尖った尻石はダンジョンコアと呼ばれる至宝であり、対価として魔力を使用するが、その創造魔法は世界的に貴重ゆえ値段の付かない至宝と言われていた。
魔力で金、武具、アイテム、更には魔物、亜人、妖精と言った生き物まで作れるのだ、欲しがらない者がいない訳が無い。
当然、対価としての膨大な魔力が必要となり、常人では望みをかなえられる事は殆ど無い。
その為、他の生き物から魔力を搾り取り自分の欲求を満たす者が後をたたない。
妬み、羨みが負のスパイラルを描く、それがこの世界のダンジョンだった。
魔力を欲し殺す者、ダンジョンコアを欲しマスターを狙う者。
ダンジョンマスターになれば拒否権の無い、奪い合いに巻き込まれ命を狙われる闘いになるのがダンジョンマスターだった。
オラオの冥福を祈りながら物語は始まる。
「おら!ダンジョン出来たぜ。
早いとこ起きな
…
……
そうかい、無視するのか。
喰らえや」
ズブッ
再び、尻に突き刺さるコアに、少ない魔力しか無いオラオは魔力切れで意識を失ったまま、コアにその尻を蹂躙されていた。
「やり過ぎた…のか?」
コアが正気を取り戻した時は時既に遅く、ピクンビクンしているオラオであった。
「仕方ねぇな…『魔力吸収』のスキル付けてやるよ。
今回だけだからな」
ダンジョンコアは至宝…
しかし…
このコアはハズレだ!
ブツブツと1人?で話すコアは時間をかけオラオにスキルを付与して沈黙するのだった。
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