イジメとはやってる側がそう思ってないたちが悪い

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全帝が後ろに回り込んだのが割りと余裕で見えていた俺は、回し蹴りをかわしつつ足払いを掛ける。 全帝は足を払われて体勢を崩すも、空かさず手を地面につき飛び上がりまた距離を取る。 「やるではないか……」 「貴方こそ………… 体捌きは素晴らしいです。では魔法はどうでしょう」 でた!ま ほ う ! ! 知っての通り、俺は異世界に来てから1ヶ月しか経ってないため、あまり練習できていない。 さらに練習の殆どを魔力コントロールに費やしたため、攻撃系の魔法はほとんど使えない。移動や強化系ばっかだ。 「行きますよ、ウインドカッター」 全帝がそう言うと同時に風の刃が十本ほど飛んできた。 俺は風の刃の間を縫うようにして避け、全帝へ肉薄する。 そしていざ攻撃…………ここで気づいた。 俺は森にいる間様々な魔物と戦ったが、どれもより速く殺せるような攻撃をしてきた。 いたぶったり、手加減など一切したことがないのだ。手加減に関しては力加減すら完璧でない。 しまった……魔物が怖くて素早く殺してたのが仇になるとは……
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