初めての嫉妬

4/12
前へ
/34ページ
次へ
   愛美があたしを一緒に連れて来たのを見るなり、非常階段口で待っていた小杉先生はクスクスと笑う。 「女の子だなぁ。単独行動は苦手か?」 「だって、円香の方がしっかりしてるし」  ニコニコ笑いながら、愛美はあたしの腕にしがみついた。 「まあ、ちょうどいいや。あのな、お前達のグループに古澤がいるだろ?」 「うん。それがどうかしたの?」 「古澤、修学旅行には来るから。翠川、赤城。彼女とうまくやってくれるか?」 「えっ、ホント? 大丈夫だよ。いじめたりしないって」  愛美が驚きながらそう言うと、小杉先生はあからさまにホッとした表情を浮かべた。 「そうか、よかった。うん。いや、お前達が古澤に何かするとは思ってないよ。ただ、あまり面識がないだろ? 仲良くやれるか、それだけ心配だったんだ」 「修学旅行なんて、1回きりだよ? いじめて黒い思い出なんて作りたいわけないじゃん」 .
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

325人が本棚に入れています
本棚に追加