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愛美があたしを一緒に連れて来たのを見るなり、非常階段口で待っていた小杉先生はクスクスと笑う。
「女の子だなぁ。単独行動は苦手か?」
「だって、円香の方がしっかりしてるし」
ニコニコ笑いながら、愛美はあたしの腕にしがみついた。
「まあ、ちょうどいいや。あのな、お前達のグループに古澤がいるだろ?」
「うん。それがどうかしたの?」
「古澤、修学旅行には来るから。翠川、赤城。彼女とうまくやってくれるか?」
「えっ、ホント? 大丈夫だよ。いじめたりしないって」
愛美が驚きながらそう言うと、小杉先生はあからさまにホッとした表情を浮かべた。
「そうか、よかった。うん。いや、お前達が古澤に何かするとは思ってないよ。ただ、あまり面識がないだろ? 仲良くやれるか、それだけ心配だったんだ」
「修学旅行なんて、1回きりだよ? いじめて黒い思い出なんて作りたいわけないじゃん」
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