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やがて清水寺に着いて、ガイドさんにお決まりの観光案内をされた。
相変わらずサド子はガイドさんを睨み付けていたけど、内藤くんの目を気にしてか、昨日みたいに暴言を吐く様子はない。
みんなは先生の目を気にする様子もなく、携帯を出して清水の舞台やそこからの景色を写メしている。
子どもは携帯持つの禁止、っていうのが世の中の流れだけど、先生達も今回だけは目をつぶってるって感じだった。
それに紛れて、あたし達も景色を携帯のメモリに収める。
そんな中、真琴が口を開いた。
「よくさ、清水の舞台から飛び降りるつもりで頑張る、とか言うじゃない」
「うん?」
「下見て。すっごい深い」
愛美と一緒に、柵がかかってるところから少し下を覗いた。
脇腹とお尻のあたりがすうっと冷たくなった気がして、あたしはかぶりを振った。
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