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「真琴、あたし達どうする? 愛美と一緒にあれやってみる?」
「うーん……おみくじ引きに行って来ようかな……」
呟きつつ、真琴の足は列に並んだ愛美の方へ向いている。
確かに、あのテンションの高い列に興味はある。
真っすぐ歩ける子は少なくて、最初の一歩目で既に軌道から外れていたり、途中から斜めに歩き出したり、意外に難しそう。
あたしもやってみようかな。
そう思って歩き出すあたしの手を、誰かがそっと掴んだ。
「え?」
振り返ると、あたしの手を掴んでいたのはそっぽを向いた大輔。
人混みの中でそうされたもんだから、誰もあたし達のその様子には気付いていなかった。
遠ざかる真琴の背中を一度視線で追いかけたけど、今はあたしの手を掴む大輔の方が気になる。
「どしたの?」
「いや、何する気?」
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