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「じゃ、あたし達行って来るね」
頭にルン、という擬音がついていそうなほど上機嫌な愛美達とは、道が二岐になっているところで別れた。
「八坂神社行きたいって行ってたよな」
「あ、うん。ここからだと、北になるのかな……?」
大輔に訊かれて、うろ覚えのまま呟きながら、しおりに走り書きしたメモを開いて見る。
その隣で、真琴は首を傾げた。
「歩いて行けるの? それとも、バスとか?」
「ちょっと待ってろ」
大輔は携帯を取り出し、何やら操作し始める。
真琴は普通にその隣に立ち、大輔の携帯を覗き込んだ。
「……」
その慣れた動作に驚いたと同時に、ツキンと胸に痛みが走る。
幼なじみだってこと、最初から大輔に聞いて、知ってるのに。
「またググッてるの?」
「いや。アプリの衛星写真地図」
「そんなのあるんだ」
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