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するとふたりの舞妓さんは顔を見合わせ、ちょこちょこと戻って来てくれた。
その歩き方もとっても優美で、見とれてしまう。
「おおきに。嬉しいわぁ。修学旅行生?」
「あ、は、はい。明日まで」
「そう」
ニコリと微笑むその顔がとってもキレイで、よく女の人が花にたとえられる理由が判った気がした。
舞妓さん相手に頬が熱くなった。さすが女のプロの中のプロだ。
「今度会ったら写真撮って?」
「へえ。もちろん構いまへんえ。またおいないや」
いきなりバスから話しかけたにも関わらず、舞妓さん達は嫌な顔ひとつしないで、柔らかな動作で手を振ってくれた。
「お客さん、出すよー。座ってなー」
笑いを含んだ運転手さんの声がして、あたし達は慌てて座った。
「もう、びっくりした。何してるのよ」
座って見ていた真琴が、少し恥ずかしそうに言う。
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