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けれど、あたしの心臓はまだバクバクしている。
「あー、でもテンション上がったぁ。【おおきに】だって。【おおきに】」
「お前、一体どっちに興奮してんの?」
クッ、と笑いを漏らした大輔に向き直り、あたしは「もちろん舞妓さん」と答えた。
そんなあたしを見ながら、真琴はクスクスと笑う。
「円香、面白い。いつもはもっと落ち着いてるのに」
「黄色い声担当の愛美がいないからかな。あの子といると、しっかりしなくちゃ、って思っちゃうから」
「そうなの?」
「だってこの3人の中じゃ、多分あたしが一番子どもっぽい」
何気なくそう言ったつもりだったけど、自分で言ってからちょっとだけ劣等感が刺激されてしまった。
けどそれに落ち込むより先に、ポンと頭に手が乗せられる。
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