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見上げると、大輔が笑っていた。
「別に、そんなことねーよ」
それはさっきの吹き出し笑いとは全然違う笑顔で、思わずドキリと心臓が跳ねる。
一瞬、真琴が黙って窓の外へ視線を向けたのが判った。
けど、涼やかな瞳はすぐに戻って来て、真琴の細い指先が長い髪に絡ませられる。
「そうだよ。私、単に老け顔なだけだし」
「フォローに困ること言うのやめね?」
明るい大輔の口調に、真琴も笑った。
あたしは、頭を撫でて行った大輔の手の感触があまりにも優しかったからドキドキして、それ以外のことを考えることが出来なかった。
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