251人が本棚に入れています
本棚に追加
真琴はくちびるに意味ありげな笑みをかたどり、あたしにアイコンタクトした。
その瞳にピンと来て、あたしは愛美を見る。
「別にいいけど、10人でウロウロするわけ?」
「ううん。今裕子とまやに確認して来たら、実は行きたいとこあるからって遠慮された。英雄のグループも、昨日いなかったふたりが彼女持ちでさ、京都デートするからいなくなるんだって。だから円香とまこちんさえよければ、6人になるんだ」
真っ先に、大輔が頭に浮かんだ。
けど昨日のことはおろか、あたしが大輔を好きなことさえ、愛美と真琴は知らないんだよね。
あたしが一瞬考えていると、真琴はサラサラの髪を揺らしながら愛美の顔を覗き込む。
「マナちゃん、行きたいんでしょ?」
その訊き方に、愛美は昨夜のまやとの会話を思い出したのか、困ったような表情になった。
.
最初のコメントを投稿しよう!