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「いや、そうなんだけど、違うからね? 英雄と話してるの楽しいけどさ。ホント、そんなんじゃなくって」
「それは見てれば判るよ。あたしは別にいいよ?」
出来るだけ不自然に聞こえないようにそう言うと、愛美はホッとしたように笑った。
「よかった。まやの何でもかんでも恋愛にしたがるとこ、実は苦手でさ。今も何かからかわれるみたいな言い方されてー」
「そっかそっか」
そのまま3人で笑っていたら、朝日奈くんがソワソワしながら追いついて来た。
「翠川、どーする?」
やっぱり、この様子だと意識してるのは彼だけなのかな。
愛美の気持ちを知らなきゃ、付き合ってても何の不思議もないんだけど。
少し高揚した様子の朝日奈くんに向き直ると、愛美はニコッと笑った。
その笑顔に特に意味はないっていうのが、なおさらたちが悪いよ、愛美。
まったく、小悪魔め。
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