252人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
何だか行き先が映画村になりそうな雰囲気の中、大輔が眉を寄せて口を開いた。
「映画村とか、パス。オレ神社仏閣派」
やたらきっぱり言い放った大輔に、朝日奈くんはますます困った顔になる。
「俺だってそうだよ。映画村とか考えてもみなかったし」
「円香は? どう?」
「え、あたし八坂神社とか行きたい……」
「八坂神社かあ。近いけど、映画村ウロウロしたいし、寄り道避けたいしなー」
映画村を譲る気はないらしい愛美は、ほぼ決定したかのような口調でウウンと考え込んでしまった。
「私、逆に映画村に興味なかったりする……」
ぽつんと真琴が呟いて、ますます事態はややこしくなる。
すると、しばらく考えていた愛美がナイスアイデア、とばかりに手を叩いた。
「じゃ、更に2対4に分かれよっか? 内藤くんとあたしで映画村」
「ややややや、待て待て」
.
最初のコメントを投稿しよう!