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真琴が、あたしのことを、大輔のことを本気で思って言っているのがよく判る。
だって、大輔を奪られたくなくて邪魔することだって、出来るのに。
戸惑って混乱するあたしを放置して、心の中で好きなだけ嘲笑うことも出来るのに。
大輔の為だけでなく、真琴の為にもなんて言われたら、堪んないよ。
言葉にならない感情は、涙になって落ちて行く。
そんなあたしの頭を、真琴はよしよしと撫でた。
「いきなり現れちゃってごめんね?」
そんなことまで真琴は言った。
あたしはただただかぶりを振る。
真琴はあたしをお人よしだって言ったけど、彼女の方が何倍もお人よしだ。
そして、大人だ。
そんな真琴と仲良くなれてよかったって、あたしは心からそう思った。
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