止まらない気持ち

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   そうして真琴と照れ臭さ混じりの笑顔をかわしていると、謀ったかのようにロビーに大輔が現れた。  大輔はあたし達を見つけるなり、目を丸くして驚きを見せる。 「何してんの、こんなとこで」  不思議そうにする大輔に、真琴は笑顔でヒラヒラと手を振った。  そして立ち上がると、そのまま大輔の横を通り過ぎる。 「真琴?」 「マナちゃんに用あるの思い出したから。じゃあね」 「あ? お、おう」  首を傾げる大輔の向こうで、真琴があたしに歯を見せて笑ったのが判った。 「!」  気を利かせてくれたのだと判って、顔がボッと熱くなる。  大輔は所在なさ気にあたしのそばまで歩いて来て、ニッと笑った。 「南館に誰もいないテラス見つけたんだけど、行ってみないか?」 「テラス?」 .
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