止まらない気持ち

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   すると、大輔もあたしの後ろから手摺りを掴む。  身体を包むようにされて、途端にまた心臓が跳ね上がった。  変なの。  こうして大輔にくっつかれると、すっごくドキドキドキドキして堪らないのに、どこかで安心してる自分がいる。  それを自覚してしまうともっと恥ずかしくなって、手摺りに額を押し付けるようにした。 「……どーした?」  大輔の顔が寄せられたのが判る。  耳元でささやく声が堪らなく甘くて、あたしの胸がキュンと疼いて鳴いた。 「……ねえ、どうしてこんなにくっつくの?」 「……くっつきたいから」  その声の甘さの中に、大輔の緊張を感じた。 「恥ずかしいよ」 「オレもちょっと恥ずかしい」 「小野さんてコと社会科準備室にいた時は、恥ずかしくなかったって言ってたのに?」 「アレは……っ……ああ、もう。あのことはいいじゃん!」 .
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