195人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、大輔もあたしの後ろから手摺りを掴む。
身体を包むようにされて、途端にまた心臓が跳ね上がった。
変なの。
こうして大輔にくっつかれると、すっごくドキドキドキドキして堪らないのに、どこかで安心してる自分がいる。
それを自覚してしまうともっと恥ずかしくなって、手摺りに額を押し付けるようにした。
「……どーした?」
大輔の顔が寄せられたのが判る。
耳元でささやく声が堪らなく甘くて、あたしの胸がキュンと疼いて鳴いた。
「……ねえ、どうしてこんなにくっつくの?」
「……くっつきたいから」
その声の甘さの中に、大輔の緊張を感じた。
「恥ずかしいよ」
「オレもちょっと恥ずかしい」
「小野さんてコと社会科準備室にいた時は、恥ずかしくなかったって言ってたのに?」
「アレは……っ……ああ、もう。あのことはいいじゃん!」
.
最初のコメントを投稿しよう!