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慌てた大輔の声に、笑いが込み上げる。
「何、笑ってんだよ」
「ねえ、何であたしだと恥ずかしいの?」
「……この天然小悪魔が。判って言ってんなら、犯すぞ」
「別に、そんなんじゃ……っ、」
慌てて振り返ったあたしのくちびるが、冷たく湿った大輔のそれで塞がれた。
「ん、んー……」
思わず鼻から声が漏れる。
大輔の腕が回って来て、身体ごと彼の方に向かされた。
そのままギュ……と強く抱きしめられて、あたしはきつく目を閉じる。
息が出来ない。
ていうか、呼吸の仕方さえ忘れてしまいそう。
行き場のない自分の手を、大輔の背中や腰に回せるほどの余裕はなかった。
そうしたら、もう戻れなくなるところまで行ってしまいそうな予感がして、少し怖かったから。
けど、大輔の着ているTシャツごしに彼の肩を夢中で掴んだ。
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