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ホテルに着いて、まずお風呂に入った。
昨日は最後だったけど、今日は最初だったから、大浴場の脱衣所はピカピカ。
昨日みたいに最後になりたくなくて急ぎ気味に済ませたら、今度は愛美達より先に出てしまった。
それでも十分に暖まった自分の身体から立ち上る熱気に、軽く息が切れる。
手鏡で首の辺りを扇いでいると、肩をポンポンと叩かれた。
何気なく振り返ると、そこに立っているのはすでに服を着たサド子。
「え? 何?」
「今日も古澤さん、来てないの?」
「うん、今日ちょっと具合悪くなっちゃったし」
サド子、真琴に用があるようなことあったっけ?
あたしとも普段はあまり喋らないサド子が、わざわざ話しかけて来るんだから、何かあるんだろうけど。
首を傾げてサド子の言葉を待った。
するとサド子は眉を寄せ、口を開く。
「古澤さん、なんか生意気じゃない? 普段学校来てないくせにさ」
その言い方で、やっと思い出した。
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