巡る季節

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   修学旅行が終わって、そのまま中間テスト週間に入った。  受験生のスケジュールは、何気にタイトだ。  真琴はしばらく学校に来ていたけど、テストが終わるとまた休みがちになってしまった。  あたしも、お母さんにどの塾の夏季講習を受けるかと訊かれるようになっていて。  気付けば梅雨真っ盛り。  大輔とは相変わらずで、社会科準備室に行くあたしを彼がこっそり追いかけて来て、そこで話すっていうのが続いている。  そこに他意はなかったけど、ふたりの関係がみんなにバレてないことを、何だか楽しく感じて。  梅雨の中に、すっかり夏の気配が満ち満ちていた。 .
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