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夕食を食べて、あたし達はすることもなくホテルの中をうろうろした。
ロビーに下りると、ピンクベージュの皮張りのソファーが空いているのを見つけて、愛美と一緒に座った。
ふかふかのソファーは、自分の部屋のベッドなんかよりよっぽど快適に眠れそう。
ホテルの従業員の男の人が横を通る時に目が合って、愛美と一緒に会釈すると、ニコリと笑い返してくれた。
すると、エレベーターホールから真琴がやって来るのが見えた。
「真琴」
声をかけて手を振ると、真琴は笑顔でこちらにやって来た。
「なーに、この特等席」
「へへ、ホテルに着いた時から狙ってたんだぁ」
きちんとキレイに調えられているソファーに、愛美はゴロゴロと身を預ける。
乗じて真琴もあたしの隣に腰を降ろした。
「そうだ、マナちゃん。何か、内藤くんが探してたよ?」
「へ?」
「大広間の方。何か、急いでたみたいだけど」
「えー? 何だろー」
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