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大輔と真琴の笑顔が、交互に浮かぶ。
裏切られたんじゃない、ってことは、頭では判ってた。
だけど、真琴がそう言ってたように、胸の中がズタズタで、血が止まらない。
どうしても、心がついていかない。
なーんだ、そうだったんだ。
そうして笑い飛ばして、黙っている外なかったふたりを安心させてあげたい。
だけど、あの間の悪さがどうしても許せない。
大輔と真琴、どちらの口からでもいい、最初から打ち明けてくれていたらよかったのに。
そうしたら、あたしも大輔と一緒に真琴と話が出来たのに。
全てを打ち明けることが美徳なんかじゃないってこと、まだ子どものあたしにだって判る。
だけど、だけど……。
胸の痛みが、嫉妬なのか失望なのか、判らない。
今まであたし、どうやって生きてたっけ?
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