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「お姉ちゃんと別れてからも、来てくれて。だから私、思っちゃったんだ。そうだ、学校に行かなければ、大輔はこうして私を構ってくれるんだ! って」
勢いよくそう言ってから、真琴は深い溜め息をつく。
「……バカだよね、ホント」
肩をすくめて笑う真琴に、あたしは何も言えなかった。
好きだけど、付き合えなくて。
だけど、そばにいたくて。
そんな真琴の小さな恋心を、誰が責められるって言うんだろう。
「だからね、大輔に好きな子が出来たって判った時――それが円香だって気付いた時、もう潮時だって思ったんだ。だけど、私からはなかなか変えられなかった」
「真琴……」
「学校行こうって、毎朝思うんだよ。だけど玄関を出なければ、大輔が来てくれる。自分じゃどうにもならなくて、勝手に円香と自分の想いの板挟みになって、大輔のせいにしちゃってさ。だから、あんなことになっちゃった」
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