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ひとしきり泣いて、あたしは身体を起こした。
3年も引きずるほど大事な恋だったくせに、あたしは一体何をしてたんだろう。
大輔が拒否してたみたいで、怖かった?
必死な彼を拒否したのは、一体誰なの?
あたしは、鈴虫寺で聞いたことを思い出しながら、京都に向かい、またお守りを握りしめた。
会いたい。
大輔に、会いたい。
会えるだけの勇気を、あたしに下さい。
ムシの良すぎるお願いを、お地蔵様が聞いてくれるかどうかは判らない。
だけどこうしてもう一度心から願うことをしなければ、また見失ってしまうような気がして。
願わずには、いられなかった。
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