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時間より早く、お店についた。
愛美と話をしたかったのに、テーブルにはすでに他の女の子や、男の子がチラホラ座っていた。
それでも会話の合間をぬって、愛美に耳打ちすることが出来た。
「ねぇ愛美、あたしやっぱり適当に帰るから」
「え、どうしてよ」
「この前、久しぶりに真琴に会ったんだ」
「……マジで?」
グラスのソフトドリンクに口をつけようとしていた愛美は、何度もまばたきをしてあたしを見つめる。
「詳しい話はまた今度するけど、やっぱりあたし、他の男の子とかいらない。好きでもないのに付き合うのも、やめる」
「えっ、待って待って、聞きたい」
「でも、今そんな雰囲気じゃ……」
真剣に愛美が身を乗り出して来た、その時。
「時間来たみたいだし、そろそろ始めますかぁ?」
テーブルのこちら側にいる、いかにも合コン大好きです、みたいな男の子が、パチンと手を叩いて言った。
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