素直になれない

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   愛美はその男の子を振り返り、グラスを置く。 「ねえ、そこの席空いてるみたいだけど」  見ると、長いテーブルの一番端の二つの席が空いていた。 「待った方がよくない?」 「実は今日、ひとり欠員出ちゃってさー。今、俺の連れが代わり探してるとこなんだ。すぐ来るから!」 「えー、いいよ、待つ。ちょっと友達と話したいし」 「えええ~!?」  キッパリ言う愛美に、合コンボーイは軽くうなだれる。  合コンボーイは愛美狙いなのだと、すぐ判ってしまった。  他の席の愛美の知り合いの女の子達も、目当ての男の子が見当たらないのか、「あたしらも全然待つし~」とか言っている。  それでも誰も帰ろうとはしないのは、あとから来るっていうふたりに期待を寄せてるんだろう。  他の男の子達はどちらかといえば草食系だし、あたし達がまだ始めたくないと言えば、黙って待っていそうだ。 .
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