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「中学生の時聞いたことあるんだよね。当時の【SPADA】のリーダーと、家出セレブ令嬢のラブロマンス。その時はバリバリの暴走族チームだったはずだけど」
へえ、と言うしかなかった。
暴走族のリーダーと家出セレブ令嬢のラブロマンスに興味が湧かないわけでもなかったけど、そんなの携帯小説の中にいっぱいあるし。
「近く走ってたみたいだから、ホントにすぐ来るよ」
特に何も気にせず、眼鏡くんはニコニコ笑った。
すると愛美は椅子にもたれ、小さな溜め息をつく。
「ま、伝説の走り屋チームの今のリーダーの顔なんてなかなか拝めないし、これはこれで収穫かな」
「愛美は最後までいないの?」
「うん。適当に切り上げて、円香と一緒に帰る」
その一言で不安が拭われて、何だかホッとした。
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