174人が本棚に入れています
本棚に追加
「大輔と、仲直りしたかった。だから、ずっと大輔の背中、見てたよ。けど、どうしても話しかけられなかったんだ。怖くて」
「……それはオレも一緒」
大輔はあたしの顔を正面から見つめると、溜め息をついた。
「ずっと円香が好きだった。今も……忘れてない。こうして会ったらよけいそう思う。好きだ」
かすれた声がして、くちびるを塞がれた。
堪えていた涙が、ポロポロとこぼれ落ちていく。
そのまま崩れ落ちてしまいそうで、大輔の腰に腕を回した。
すると、あたしを抱く力が強くなる。
ねえ、大輔、あたしにも言わせて。
キスが強くて、激しくて、何も言えないから……今日は少しだけ、優しくして。
.
最初のコメントを投稿しよう!