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窓際のソファーのある席に移動して、真琴にゆったり座ってもらってから、話を切り出したのは彼女の方だった。
「ホントにありがとう。円香からメールあった時、嬉し過ぎて泣いちゃったよ」
「ていうか、先に言ってよ。そのお腹、びっくりしちゃった」
「だって、驚くかなぁって」
あまり悪びれない笑顔で、真琴は笑った。
注文したグリーンティーが運ばれて来て、真琴はあたしを見ながら顔を傾ける。
「本当に、ずっと円香と話したかった。円香の携帯繋がらなくなっちゃったし、マナちゃんに訊けばよかったんだろうけど、訊けなくて」
「……うん」
「円香、私のこと、嫌だったよね。本当にごめんね」
「そんなことないよ」
それは本当のことだった。
「あの時は確かに、頭の中ぐちゃぐちゃになって、何も考えられなかったけど……あたしが真琴でも、きっと同じことしか出来なかった」
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