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「治りかけた頃、お姉ちゃんの部屋で、その……お姉ちゃんとキスしてる大輔、見ちゃってさ」
「え、ええ!?」
いきなり大輔が出て来て、あたしは面食らった。
するとそんなあたしを見ながら、真琴はクスクスと笑う。
「昔、言ったでしょ? 大輔とお姉ちゃん、付き合ってたって」
「それは聞いたけど、だってまさか、そんな話だって思わなくて」
「そう。だから私の懺悔」
肩をすくめた真琴は、微笑んであたしを見つめる。
これは、あたしの知らなかったことが飛び出して来るぞ。
そう悟った瞬間、あたしはゴクリと息を飲んだ。
「それがすっごくショックで、また寝込んじゃったの、私」
「ショック?」
「何で大輔がお姉ちゃんと、って。何日も何日も、思い出す度吐きそうになるし、頭はガンガンするし、死ぬかと思った」
「……もしかして、真琴」
「そう。ただの幼なじみじゃなくて、私大輔のこと好きだったんだ! って、そんな場面を見てから気付いちゃったの」
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