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「菊…!きく…っ。」
どうしたんだ菊
どうして帰ってきてないんだ
いつもみたいに兄上って
ただいまー!って
また無理に動いたでしょ!って
「っはぁ…はぁ。」
あれ?
気が遠くなりかける中目に入ったのは今朝菊が持っていた風呂敷。
一度帰って、きたのか
あぁきっと俺が居ないのを見て探しに出てしまったんだ
夜は危ないのに
あれほど夜の一人歩きはダメだって言ったのに
「はぁ…き、く。」
今まであれだけ動かなかったこの身体がこんなに動いてくれるとは思わなんだ
当たり前か
大切な菊の為だから
漬物石の様に重くなった身体をすかすかの壁に寄りかけて再び立ち上がる。
今、行くから
______________....
「生きてんのか?こいつ。」
誰?
「おい、おい!」
何?僕を呼んでるの?
そんなに揺すらないでいたいよ
「お、息はしてるみたいだな。」
何処へ連れて行くの?
僕は探さなきゃいけないのに…
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