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「静粛に…………こらっ君達!静まりたまえ!」
壇上で、七三が必死に喚き、眼鏡を曇らせる。
委員決めの時、当然のように学級委員に立候補した七三だったが、成る程とてもハマり役だ。
多少ざわついている中、七三がゴホンと咳をする。
「班員は、原則男女混合で構成し、数に偏りが見られないようにすること!いじょ―――――」
「キャアアアア百輔くーーん!」
「百輔様ぁっ、是非とも遠足にお供させてくださぁいっ」
七三が言い終わらない内に、わらわらと百輔の周りに女子が集まる。
これは戦争か?
とにかく、自分の席と百輔の席が離れていてよかったと思った。
ふう、と溜め息をつく。
頬杖をついて、窓の外を見た。
認めたくないが、現時点、俺には友達がいない。
更地にも似たこの状況で、班決めをするなど。
「も、本岡くん?」
妙に裏返った声が、聞こえた気がした。
振り返ってみると、後ろに座る女子が、上目遣いで俺の様子を伺っていた。
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