ーーーーーー3ーーーーーー

3/12
前へ
/39ページ
次へ
「静粛に…………こらっ君達!静まりたまえ!」 壇上で、七三が必死に喚き、眼鏡を曇らせる。 委員決めの時、当然のように学級委員に立候補した七三だったが、成る程とてもハマり役だ。 多少ざわついている中、七三がゴホンと咳をする。 「班員は、原則男女混合で構成し、数に偏りが見られないようにすること!いじょ―――――」 「キャアアアア百輔くーーん!」 「百輔様ぁっ、是非とも遠足にお供させてくださぁいっ」 七三が言い終わらない内に、わらわらと百輔の周りに女子が集まる。 これは戦争か? とにかく、自分の席と百輔の席が離れていてよかったと思った。 ふう、と溜め息をつく。 頬杖をついて、窓の外を見た。 認めたくないが、現時点、俺には友達がいない。 更地にも似たこの状況で、班決めをするなど。 「も、本岡くん?」 妙に裏返った声が、聞こえた気がした。 振り返ってみると、後ろに座る女子が、上目遣いで俺の様子を伺っていた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

127人が本棚に入れています
本棚に追加