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「良かったあ………。
あ、私、槻野(つきの)って言います。よろしく」
ニコリと笑う。笑顔が可愛い。
彼女がセミロングの髪を揺らすと、一本結わえている三つ編みが連動して、ちろりと揺れた。
なんというか、癒される。
「も・と・お・か・く・ん!」
ダンッ、と机を叩く音に、ビクリと肩を揺らす。
後ろに向いていた体を元に戻すと、七三が眼鏡を逆光させて立っていた。
ほっこり気分が、げんなりに変わる。
「友達がいない君の為に、僕が一緒の班になってやろう」
得意げに、そう謳った七三に頬をかく。
何も間違ったことは言ってないが………七三自体が果てしなく面倒くさいな。
そして、今回は状況が違う。
「………槻野さん、いいかな?」
「んん?ツキノ?」
俺の一存では決められないのだ。
再度、後ろを向いて、槻野に確認をとる。
心なしか怯えているように見えて、思わず苦笑いが漏れた。
断ってくれても、俺は一向に構わないのだけど……。
「大丈夫だよ。いい奴だし」
多分。
心の中で付け加える。
槻野は、分かるか分からないか位に小さく頷いた。
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