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「業者ァァアアアア!!!!」
教室中に、雄叫びが響く。
突然のことに、肩が盛大に揺れた。
「い、一体何なんだ?」
七三が、ズレた眼鏡を直しつつ、声のした方に目を遣る。
俺も、いまいち事態が把握できないでいると、百輔の取り巻き達が、ゆっくりと散らばり始めた。
やがて、机に足を乗せ、尊大な態度で座る百輔の姿が現れる。
経過を見守っていると、百輔が、ゆるりとこちらに振り向いた。
とても嫌な感じがする笑顔を貼り付けて。
「業者、俺と同じ班になれ」
その声は、大声ではないのに、やけに鮮明に聞こえた。
周りの人間もそうであったのか、次第にざわめき始める。
大方、ギョウシャとは誰だ、といったような内容だ。
百輔の視線の先にいる俺たちに目が向けられるのは、時間の問題だった。
そして、その中でも、俺に視線が向けられるのは必然であった。
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