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「コレッ!コレで決まりだな!」
百輔は、運さえも味方につけているらしい。
特売の鶏肉を持って、とても楽しそうだ。
あのジャンケンに勝った後、例のごとく“オレに任せとけ!”と豪語した百輔だったのだが。
「意外だ」
「あ?」
「あ、いや、お金持ちだし、高いお肉でも選ぶのかなって思ってたから……」
実際、選んだのは鶏肉。
しかも特売の。
俺の言葉を聞いた百輔は、キョトンと暫くの間静止する。
「まァ、百輔様だからな」
ニンマリと、弧を描く口。
「庶民が、コーユーのを食べることぐれェ知ってる」
フッハハ!と、百輔は得意気に笑う。
コイツ…………………。
そうでございますね。
天下の鎖々木家では、超高級サーロインが出てくるんでしょうね!
「くそ、羨ましいな………」
「コレも買うしかないな!見ろ!ニーキュッパだ!」
そう言って、百輔はウィンナー片手に、満面の笑みを浮かべた。
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