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「でもさ、鬼束先輩、嫌がってないよ?ああ見えて」
「アレがですか?」
高城さん曰く、アレは鬼束さんの愛情表現でそうは見えなくても2人はラブラブ、らしい。
激しく頭をひねるしか無く、その矢先のこの事件である。
僕なりの推理では、2人の間に何かあったに違いない。
――事情聴取するなんてとんでもないけど。
片桐さんはいつもと何ら変わらない様子で、目についたらしい僕に聞いてきた。
うわもうやめてください、とは言える訳もなく。
「ここに鬼束警部が来なかったかい?」
「あ、はい、いらっしゃいましたよ?」
先程の大惨事を思い出しながら、忙しい振りをしてみた。
しかし効果は無いようだ。
「…………。そっか。あのさ鈴林くん、ちょっと聞きたいんだけど鬼束どんな様子だった?」
どうして僕に聞きますか?!
そう言える訳もなく、そうでなくても内容が内容なので結局言えない。
適当にお茶を濁そうとしたが、次に片桐さんは高城さんの様子に気がついたらしい。
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