∽前編なる前編∽

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関さんが話を続けようとすると、再び高城さんの蚊のような鳴き声が聞こえた。 「……せっちん、なんか甘いもの持ってない……?」 「持ってない。ていうかさ高城くん、次“せっちん”って呼んだら首の骨折るって前に言ったはずだけど?」 「ううう……折られた方がマシだよ……」 「いや死んじゃうでしょ!高城さん、糖尿にならないための配慮なんですから、甘んじて受け入れてください!」 見る限り受け入れてくれる様子はない。 けど僕が言わないで誰が言うのかと考えたら……。 そんな僕を見て何故かニヤニヤする関さん。 何ですかと聞くと、尚もニヤニヤするだけ。 ――いや別に、決してそんなんじゃありませんよ? …………多分。 「仲良しだよねー、2人とも。あの2人もさ、こんな風に自然にしてればいいのに」 「いや、だから、そんなんじゃありませんって!」 「はは、それは解ってるよ。だって鈴林くん、『高城専用ハイスペックお母さん』て2つ名付いてんだもん。お母さんとじゃ、近親ナントカになっちゃうでしょ」 これはこれで衝撃。 何のための2つ名だよ。 .
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