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事の発端は紛れもない、僕の直属の上司である高城さんだ。
本名を高城葛(たき かずら)。
ぶっちゃけ刑事として諸々問題のある人だが、何やかんやで今日まで刑事をやり遂げている希有な人である。
この高城さん、自他共に認める大変な甘味(特に和菓子)フリークなのだ。
僕も甘味はなかなか好きなのだけれど、この人の足元にも及ばないと自負している。
と言うのも……と、ここで高城さんが1日に摂取する甘味を挙げよう。
まず、あんみつ3箱。
そして水ようかん2×4箱。
さらにぼたもち2×2箱。
果ては草団子とみたらし団子6本セットを2箱。
これをほぼ毎日。
糖尿病が心配されると言うか、既になっているんじゃなかろうかという摂取量。
大体にして、1日に何故こんなに甘味を摂取するのか甚だ疑問だ。
むしろ何かの呪いかとまで思ったが、これは本人が否定した。
本当の事の発端は、これからだ。
我が署が誇る鬼が……、
いや失礼、我が署が誇る鬼『のような』刑事が、これにブチ切れたのである。
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