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高校の黒い制服に身を包んで商店街を歩く影があった高嶋 優樹。至って普通のどこにでもいる男子高校生である。
でもいつもならまっすぐバイトにいく優樹であったが今日は友達に頼まれて学校で飼育しているうさぎの世話を頼まれていやいや引き受けたのである。
わかりやすく言うと優樹は動物が苦手なのである。
「…ほらっ、餌だぞ」
優樹はうさぎのいる柵に入りラビットフードのはいった皿を地面に置く。うさぎはちょこちょこと皿に集まってきた。
そして、ラビットフードを食べ始める。その姿は普通の人が見たら可愛いと思うと思うが優樹には可愛いと見えない。
本当は掃除をしなければならないが動物嫌いの優樹は帰ることにした。なので、うさぎに逃げられないようにゆっくりと柵から出る。
パタン
「ふー、終了」
ぐーと伸びをして鞄を持つ学校の先生達に見つかったらうるさいので優樹はさっさと帰ろうと柵から遠ざかった時だった。
ぴょこぴょこと白い長い耳を見せた動物が優樹の前を通る。
「……嘘だろ」
帰れると思ったのにおお仕事を見つけた優樹は白いうさぎを追いかけた。
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