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「その帰り私は達也と少し島を周った、その時私は美久を見たの、美久のドッペルゲンガーを。
私達はなにか良い方法はないかと調べた、でもなにも見つからず、結局解った事は、私のドッペルゲンガーの死体は、次の日には綺麗に無くなっていて、ニュースでも報道はされていないという事だけ。
ドッペルゲンガーが創られている場所も、黒幕も解らずじまい。
私は達也に美久を守ってくれないかと依頼したの、命の危険と見合う額。
二億で。
後日美久と私はファミレスで会った。
その時私はある物を美久に渡した」
美久は左耳のピアスを指で触った。
「それはGPS付きのピアス、それを達也は追って美久を守ってた」
「じゃあ、ドッペルゲンガーの位置を解ってる訳じゃなくて私の位置を……」
「ドッペルゲンガーの位置?美久の位置だよ」
確かにそうだった、達也が出現する所にはドッペルゲンガーもいたが、美久もいたのだ。
「それ以上私に出来る事はなかった。自分の無力さを感じ足手まといになるのは嫌だったから島を出る事にした。
正直怖かったってのが本音なんだけどね。
あ、二億ってのはウチさ、超金持ちだから心配しないで、美久も知ってるでしょ、問題なしよ、私が説明出来るのはここまで」
「じゃ鹿児島で桜島の灰でも被って人生楽しんで~ばいばい~」
「ちょ!ま!」
達也は一方的に電話を切ると、美久にこういう事だと目で訴えた。
美久は由香の発言により、達也が本当に自分を助けようとしてくれているという事実は理解した。
「あ~あと俺が学校で助けたの覚えてる?」
「え?」
「そこにいるドッペルゲンガーからね」
達也はクミを指差した、クミはなにか思い出したかのように驚いた表情を見せた。
「まさか、あの時の」
「そう、俺の金に手を出さないでくれよ、可哀想な人間」
クミは同じ台詞を飼育小屋で聞いていた、達也の今言った台詞を。
「私はあの時とっさに逃げた……お前だったのか……」
クミは体の力が少し抜けた。
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