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なぜ達也が自分達を助けたのかについて、頭をフル回転させながら──しかし答えは見つからない。
「えっと、海で溺れている少女がいました、その少女を助けてあげました。
何しに来たのと言われたあげく、銃を突きつけられました。
そりゃないだろ?
つーか、服着ていいよ、そしてそれ(銃)さっき使え!」
達也はニヤケながら後ろを向きソファーに向かった。
その瞬間にクミは服を着るため風呂場へ戻った。達也は手を広げ大きく股を開きソファーにドスンと座った。
「で、あの汚いガキは誰?美久の隠し子かい?」
達也は外にいた巧に指を差し、ニヤニヤと歯を見せた。
すると着替え終わったクミがゆっくりと警戒するように戻って来た。
「早くタイマーを止めろ、さもなくば殺す」
クミは冷静な目をしていた。美久に手を差し出すクミ。
「美久、銃を貸して」
クミは美久から銃を受け取った。
「俺ってなんか勘違いされてるよね?多分その感じからいくと俺がドッペルゲンガーを創った。そして美久と君は誰かと手を組み、俺を殺そうとしている。こんな感じかな?」
表情は相変わらずニヤケていた。
「つじつまが合うんだ、お前はサイコ野郎。そして私達の殺し合いを楽しんでいる。
違うか?最後までギリギリまで楽しむ為に今も助けたんだろ!」
「サイコ野郎は間違ってないかもな~。ただ生き物が死ぬのは好きじゃないな。
俺潔癖でさ、気持ち悪いの無理でね。トイレでジュースとか絶対飲めないタイプ」
「なぜ智美さんを殺したの!?」
美久が問う、達也は眉間にシワを寄せた、
「あいつ死んだのか……」
達也の表情が変わり、座った目で美久を見た。
「お前は何者なんだ!お前が全部やったんじゃないのか!?」
クミの頭は混乱していた。真綾の友人は自分達を襲い、達也はそれを助けた、つまり達也は何者なのかと。
「俺は美久を助けるために、由香に二億で雇われた、ただのオタクだ」
「二億?どういう事!?由香ってなんで由香を知ってるの!?由香はドッペルゲンガーに勝って県外へ行った。オタク?――まさかあなた由香の彼氏だった……」
「彼氏か。そういう設定なわけね」
そう言うと達也は携帯を取り出し誰かに電話を掛けた。
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