第1話

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降りしきる雨。 大粒の雫が、音を響かせて傘にぶつかる。 傘から覗く周囲に人影は少ない。 深く息を吸い込めば、雨独特の匂いがする。 なんでか、雨は嫌いじゃないんだ。 気分のいい朝。いつもこうならいいのにね。 眼下には寂れた小さな集落。静まり返り、寝静まる村。 その小さな村のど真ん中の空中に、俺は今、浮いている。 なぜかって? そりゃあもう・・・ 「遊ぶためだよねええええええええ」 そうたからかに声を上げ、右手を天に掲げた。 刹那―ーーーーー ビキッビキビキビキッと音を立てて右手に青い球体ができる ギラギラと鋭い光を放つ小さな小さな、モノ。 「ふふ」 一つ笑をこぼし、俺はその右手を、迷いなく 振り降ろした
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