第1話

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せっかく東京に出て来られたのだから、社会勉強のためにも学生のうちに色んなところに行って、色んなものを観てみたいと思う。 原宿、渋谷、池袋、いつかは二丁目にも遊びに行ってみたいと思うし、秋葉原も家電を見て回ったり、メイド喫茶も興味がある。 遊ぶためにはお金が必要だ。 牧瀬のそばに居れば面白いことが起こりそうだし、バイト先で新たな友達が出来るのも楽しみだ。 「うん、じゃあ、頼むよ」 「おうよ!」 二人のやり取りからバイトが決まるまでは早かった。 次の次の日には面接。 そして、その次の日にはもう働きだしていた。 「どうだったよ、初日は?今日だと確か井上さんと会えたでしょ?」 井上さん、井上さん…ああ、あの。 「あの目がくりっとした茶髪の子だよね?」 初日の涼に「私も入ったばかりなのでよろしくお願いします」と愛想良く挨拶してくれた彼女の顔が頭に浮かんだ。
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