34人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
あれからもう半年かー。
長かったような短かったような。
休日のお昼過ぎ、折り畳み式のベッドに仰向けになり、涼はふと考えていた。
あの恋を。
もう少し時が経ってから打ち明ければ別れずにすんだのだろうか。
いや、打ち明けた時の軽蔑したあの顔…。
きっと、どんなに時が経ってから言ったとしても、彼には受け入れられないことだったんだろう。
「はぁー…」
涼は深い溜め息をつくと、気を紛らすためにノートパソコンを開き大型掲示板を閲覧し始めた。
涼が前の恋人と出会ったのは約二年半ほど前の18才の時だった。
子供の頃から役者になるのが夢だった涼は高校を卒業するとすぐに上京して、芝居を学ぶために専門学校へ入学した。
遠く九州から上京したにも関わらず寂しさや不安は微塵も感じなかった。
それは一人暮らしではなく、学生寮に入ったというのが大きいのかもしれない。
最初のコメントを投稿しよう!