第1話

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入寮した部屋のタイプは三種類あって、一人部屋、二人部屋、四人部屋と別れてあった。 三人部屋がないのは奇数によって仲間に入ることが出来ない「ぼっち」を防ぐためだろうか。 それ以外に考えられない。 一人の時間も欲しいだろうからとの親の配慮により、ありがたいことに涼は一人部屋に入ることが出来た。 四人部屋と比べて一人部屋は結構賃料が張るらしい。 親に値段を聞いたことはないし、お金が絡むことを易々と聞くのは下品な気がするから、複数部屋の人にあえて聞こうと思ったこともない。 けれど、一階に2つある個室シャワーの前で順番待ちをしている時に話しかけられた四人部屋の人に、過ごしにくさと、賃料の高さから親に重圧をかけられているという愚痴を延々と聞かされた。 地下に大浴場があったものの、退寮するまで結局一度も足を踏み入れることはなかった。
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