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結局、お盆から新学期ぎりぎりまで家に帰省していた。
朝早くに荷物を寮に置きに行こうと、校門を潜った。
校庭のあちこちの隅に、テントがすぐ立つ状態で置いている。幾つかは既に部活生が涼んでいた。
1階の渡り廊下では、体育祭用の看板が立て掛けられている。9月の終わりにはすぐ学園祭がある。
スポーツより学業に力を入れている、この高校では、
一日目二日目が、学園祭。三日目が体育祭。
準備は9月からしかできない決まりだったが、
俺が帰省したせいで、気を緩ませてしまったようだ。
それが終われば3年は完全に受験にだけ集中する。
「あー!滝谷会長ー! おかえりなさい!」
慌ててペンキを後ろ手に隠した後輩二人が此方に気づいた。
「ただいま。準備は進んだの?」
「はい! プログラムデザインができました! 看板はモザイク画です!」
「……お土産、要らないみたいだね」
気が緩んだ所か、夏休みは準備禁止を頭っからわすれているみたいだ。
生徒会役員が率先して規則を破っていたとは……。
生徒会メンバーへのお土産のお菓子で、後輩を叩いていたら、
キュッ キュッ
体育館をスパイクで走る音が、聞こえた。
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