第2話

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☆ 「ねぇねぇ、葉山の噂、知ってるー?」 翌日の月曜は、学校中が葉山の噂で持ちきりだったま 元から目立つ存在だった事もあるけど、後輩たちからも学食から聞こえてきた。 「すみれ先輩と生徒会長が付き合ってるのに嫉妬して、生徒会長を脅したみたいよ」 「えー! 何それ?」 三人固まった女子からも。 「階段の踊り場で、金を巻き上げようとして抵抗されて、怯んだ葉山が階段から落ちたんだって」 「え? あいつ、昨日推薦試験だっただろ?」 学食に向かう男子からも、 「推薦は取り消しになったってよ」 「あいつ、推薦があるから勉強して無かったじゃん。大丈夫なワケ?」 「夏休みも毎日部活だったもんなぁ」 ……放課後の、ホームルームが終わって解散後も、クラスはざわついていた。 「確かによく、葉山が生徒会長を睨んでいるトコ見かけたわ」 「会長は澄ましてたけどねー」 話は大分すみれによって脚色されていた。 だから噂の中心には、すみれと葉山ばかり。 それどころか、あの葉山からすみれを守ったとまで言われていたりする。 「滝谷!」 廊下のドアに学年主任が、俺を手招きしていた。 ざわっ
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