第2話

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――その後ろに、坊主頭の葉山も立っている。 あんなに伸びた髪を、丸坊主にするなんて。 まるで、噂を認めたかの意思表示に、俺の胸は騒いだ。 「謝罪がしたいんだとよ」 学年主任を間に挟み、廊下で俺を見つめる葉山。 隣のクラスからも野次馬が現れていた。 「此処じゃ目立ちますから―……」 「ごめん。滝谷」 俺の言葉を遮るように、葉山は頭を下げた。 二つに折れるように深々と。 回りの野次馬に見せつけるように。 葉山の後頭部には、ガーゼが貼られていて、本当に怪我は少しだけだったようだ。 「あ……」 何か言わなければいけないのに、言葉が出てこない。 「『ソレ』は何に対しての謝罪ですか?」 淡々と言えた言葉はそれだけだった。 俺を乱暴にしたと認めた謝罪か、 パフォーマンスからの謝罪か、 何の意図がある謝罪なのか俺には分からない。 「お前を傷つけた謝罪だ」 「…………」 回りの注目に居心地の悪さを感じながらも。 葉山の推薦が取り消された事に不安を感じながらも。 やっとあんな酷い事から解放されるのに。 なのに俺の心は、まだ不安定だった。
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